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コラム

院長のコラム第97回 80歳の峠―思う様にならん

81歳の女性患者Xさん
腰痛を主訴に受診され、治療で軽快し、最近は経過観察で受診され、その時の対話です。
Xさん:先生、80を過ぎてから動けんようになった。好きな編み物を、するのも大儀で、畑も以前はいろいろな野菜を広く作れていたけど、もう少ししか作れんようになった。昔しゃー、なんでも、平気でできとったのに《はがいいでー》。
外来で、多くの高齢者の方を診させていただいてきました。その中で、私が経験を重ねて得た結論(私論)が「女性には80歳の峠がある」です。今回はあえて女性の方についてお話ししたいと思います≪私が経験してきた平均的な話としてお読みください≫
80歳前後の膝・腰の調子の悪い女性の方々(それ以外は、いたって健康老人です)を観させていただいた時の事です。異口同音に、多くの方(私から見ると健康高齢者ですが)から、次のような言葉が発せられ始めます。
「思う様にならん」「くやしい」「はらが立つ」「はがゆい」など、すべて他人との関係ではなく、自分自身の事での言葉です。今まで簡単にできていたことに、時間がかかってきたり、出来なくなったりします。
私は図(下図)を書きながら、話します。
80歳ごろまでは、ゆっくり体力も、知力も衰えていきます。80歳を過ぎてもこのペースで衰えると想っていると、そうではなく、80歳前後から衰えのスピードが速くなってきます。自分の予想を上回り、意外(あれれっと言う感じ)と思うことが多くなってくるのです。この衰えを認識して、70歳代とは違った、80歳代の自分に合った生活ペースを早くつかんでください。
<追伸>
この80歳を過ぎてからの衰えに備え、60・70歳代から、運動する習慣を身につけましょう。80歳からでも遅くありません。