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コラム

院長のコラム第79回 藤浪投手評―個人の感想です

第76回院長コラム「三年先の稽古」に藤浪投手の事を書きました。
素人野球評論家・スポーツ整形外科医花川の藤浪投手評を笑読ください。

彼の投球を見ますと、「よっこらしょ」になっていることです。身体の強さ、瞬発力が弱いため、ピンチになると全力で投げようとし、身体全体を使い、軸をぶらして投げざるをえなくなっています(と言うより、高校時代から進歩が無く、もしくは少し悪くなっているように思います)。歴代の「名投手」の共通点「軸をぶらさず、すっと入り、ピシッと投げる」ことが出来ません。

高校生からプロ野球に入り、名投手になっていった人は、高校時代はアーム式の腕の振り、身体全体を使っています。軸もぶれています。プロ野球入団後、何年もかけて強靭な大人の体を造り、「軸をぶらさず、すっと入り、ピシッと投げる」ことを獲得しています。腕の振りもアーム式ではなく、スナップ式様に変わってきます。体軸がぶれないので、投げる肘の位置も安定します。

藤浪投手は、素晴らしい才能・体力(18歳にしては)があり、1年目から活躍したため、プロ入団後から数年間の鍛え方が今一つ足らず、大人の身体の強靭さを獲得することが出来ていないのだと思います。
一昨年ごろから、藤浪投手が、「りきまない投球フォーム」を求めているとの報道を見て、期待はしていたのですが、一向に良くなりません。基礎に強靭な体があってこそのフォームなのに、「力を抜く・力まない」だけではできないように思います。
今の彼にいちばん必要なことは、大人の強靭な体をつくることだと思います。人間は弱いもので、自分を追い込んで体を鍛えることはできません。人(コーチ)の力が必要と考えます。
「三年先の稽古」を願っています。「軸のぶれない、すっとはいって、ピシッと投げる」藤浪投手を夢見ます。才能が豊かなだけに、切に願っています。

<追伸>彼は肩・肘を壊していません。今までのズボン(古いなー、今はパンツと言うそうですが)が合わなくなるほど、お尻・太ももがごつくなれば、必ず復活します