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コラム

院長のコラム第24回 稲刈り

秋の風物詩といえば、黄金色の稲田、稲刈り、五穀豊穣・感謝の秋祭りがあげられます。

10月中旬、朝の散歩の途中、稲刈りの終わった田んぼから、草の匂いを強力に感じました。田んぼに、はざ掛けはありません。匂いは、草を刈った後の匂いそのものです。昔、稲刈りの後の田んぼがこんなに匂っていたかなー、との疑問がわきました。

はざ掛け

子供の頃の稲刈りを思い出してみます。稲刈りは、人手がかかり、家族総出、親戚も一緒になって行われていました。小学、中学校に稲刈り休み(農繁休暇、なつかしい言葉です)があり、子供も稲刈りの手伝いに出ました。当時、刈り入れ器具は鎌です。歯がのこぎり状のものもありました。子供の手には少し余る径の稲の束を、一株一株刈り込んでゆきます。刈り取った稲は、適切な太さで束ねられ、二股に分けられ、はざ(稲を干すために、木の杭や竹で組んだもの)に掛け、自然・天日の中で乾燥され、後日、脱穀されます。稲を刈り取った時に、匂いを意識した記憶はありませんでした。

 先日、外来での患者さんとの会話

「最近、散歩をしていると、田んぼが、ぼっけー匂うんじゃけど?昔、稲刈りの後の田んぼが、こんなに匂っとたかなー?」
患者さん「先生、最近は機械で一気に刈り取り、脱穀する。その時に、稲わらを切ったものが田んぼに残るから、匂うんじゃ」

その後、田んぼをよく見ると、脱穀後の細断された稲わらが、稲田を薄く覆っています。コンバインで稲を刈り取り、一気に脱穀してしまい、切られ、残された稲わらが、この匂いを発しているのだとわかりました。

コンバインはだいぶ昔から、使われていますが、稲わらの強い匂いは、今年初めて気づきました。

<追伸1>
コンバイン=稲刈りの機械と思っていましたが、稲刈り+脱穀・選別=combined(コンバイン:組み合わせた)の英語に由来していると、知りました。

<追伸2>
稲刈り、秋祭りの次は、紅葉狩りです。

稲刈り後の田んぼ