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コラム

院長のコラム第17回 ロゴマークができました

今回山陽新聞に「高齢者の変形性膝関節症の治療」の私の記事が載りました。長年、変形性膝関節症や、起立性リンパ性浮腫の治療に「招き猫体操」を取り入れてきましたが、そのロゴマークができました。当院のMさんがデザインしてくれました。私のイメージにぴったしで、大変うれしく思っています。今後外来を含めて、さまざまなところで活用してゆきたいと思います。

高齢者の変形性膝関節症の治療

重要な運動療法―大腿四頭筋訓練 上肢の動きを加えた「招き猫体操」
「診断は変形性膝関節症です。病気ではありません、老化です。あなたの年齢の人は、たいていの人が膝痛を持っています。痛みと上手に付き合ってください。治療法は大きく3つあります。痛み止めなどの薬、ヒアルロン酸などの注射、そして運動です。それぞれ効果がありますが、基本は運動です。あなたは痛みが軽く、レントゲンでも軟骨の摩耗は軽度なので、まず運動療法から始めましょう。今から、運動<招き猫体操>を教えます。招き猫体操を、右脚、左脚、3秒10回ずつ、朝、昼、夜、計3回行ってください。右脚30回、左脚30回です。運動は今から、今日からです。まず、これ以上太らないように、食事に注意してください。元気なうちに、軽い運動習慣を身に着けてください。悪くなってからでは、大変です。散歩もしてください。運動を続けて、80歳の峠を、歩いて、元気に越えましょう」
これは、先日、外来診察で、68歳、体重70㌔、「最近、長く座った後、立ち上がりかけたときに左膝が痛い。歩き始めると、しばらくして症状がとれる」との訴えで、来院された変形性膝関節症の女性患者さんに、私が話した言葉です。

高齢者の変形性膝関節症の多くは、はっきりとした原因がなく軟骨の摩耗、筋肉の衰えや肥満などの多くの要因で発症します。症状は、この患者さんのように、動き始めに、膝に痛み・違和感を覚える軽症の人から、次第に痛み時間が長く、強くなり、日常生活が障害される重症の人まであります。治療は、重症になると、人工関節手術が考慮されます。最近人工膝関節手術の成績が良く、適応は拡大傾向にあります。痛みと付き合って、日常が過ごせる人は保存的治療となります。
保存的治療では、1.非薬物療法[a.運動療法、b.装具療法(杖(つえ)、歩行器、足底板 など)、c.物理療法(温熱など)]、 2.薬物療法(鎮痛消炎剤、ヒアルロン酸なそ)を症状に合わせて行います。

非薬物療法に対する、日本整形外科学会の推奨度A(行うことを強く推奨する)を要約してみます(変形性膝関節症診療ガイドライン 2012年 より引用)。

  1. 定期的な有酸素運動、筋力強化訓練および関節可動域訓練を実施し、かつこれらの継続を奨励する。
  2. 適正な体重にし、維持する
  3. 歩行補装具(杖、歩行器)は、疼痛(とうつう)を低減する。

変形性膝関節症の治療ですが、第一番そして、重要なのは、運動療法です。その中心は、大腿四頭筋訓練です。大腿(だいたい)四頭筋訓練は、太ももの前の筋肉を鍛える方法です。膝を力いっぱい伸ばし、その位置を数秒間保持するのが、一般的です(詳しくは、「ロコモチャレンジ。・ロコトレ」のサイトを参照してください。岡山西大寺病院ホームページ 院長コラム 第3回に取り上げています)。軽症の場合、この運動でほぼ痛みがとれます。
*運動療法は、痛みをみながら、主治医と相談し、調整してください。

私は、大腿四頭筋訓練に上肢の動きを加えた、「招き猫体操」を日常の治療に取り入れています(院長コラム 第9回を参照ください)
なぜ、手と組み合わせて?と思われるでしょう。上肢と連動することで、「歩く感覚」、「体幹が安定し、力が入りやすい」という、利点があります。足首を反らすこと(背屈)で下腿・足の静脈・体液の流れを良くし、下腿・足のむくみ(夕方になると靴下が食い込む)予防・治療にもなります。
下肢の機能を強化・保つことを、誰も助けてはくれません。行うのはあなたです。今日から、今から、元気な時から、始めてください。無理をせず、毎日、毎日を勝ち組になってください。