お知らせ

コラム

院長のコラム第15回 足が痛い、脚がしびれる

この写真は、66歳、私の足です。外来のあと、午後五時ごろの脚です。靴下のゴムがくいこみ、へこみができています。軽いむくみの状態です。「起立性のむくみ」と言います。長時間、心臓より下に下肢がある状態(立位・座位の状態)で生じます。

この起立性のむくみは、若い人でも起こりますが、老人には必発の症状です。「脚のむくみ」と聞くと、心臓、腎臓の病気が想像されます。この場合は、全身のむくみが来ます。昔、足がむくむというと、脚気(古いなー)を想像しましたが、今は外来でみることはありません。老人には、よくこのむくみが起こりますが、整形外科の外来を受診される老人の中に、“足のむくみ”を主訴に来院される人はほとんどありません。「右足がじんじんする」、「膝の下の外がわのあたりが、締め付けられるように痛い」、「ふくらはぎが痛い」、「足の裏がぼってりとして、しびれる」・・・・・など、坐骨神経が関与したような訴えで、受診されることがほとんどです。脊柱管狭窄症、腰部椎間板ヘルニアと診断される人もいますが、私の老人外来では、起立性のむくみの症状の方が多いように思います。

老人の生活を思い描いてみてください。動く時間が短く、座ってテレビを見ている時間が長くなります。足は動かさず、心臓よりも常に低い位置にあります。次第に足がむくみ、上に述べたような症状が出てきます。正座をした後、足がしびれ、痛い経験をされたことがあると思いますが、それもむくみの症状の一つです。

この老人の足のむくみを取り・予防する方法は、むくんだ脚の拳上、マッサージ、弾性ストッキングの着用などいろいろな方法があります。私が最も大切だと思う方法は運動です。その一つがカーフパンピングという方法です。英語でカーフとはふくらはぎのこと、パンピンク(pumping)とはポンプ作用のことをいいます。ふくらはぎの筋肉を収縮させることです。実際には足関節・足指を背屈・底屈(屈伸)します。背屈をして3秒間(時間は自分で決めてください)、底屈して3秒間、これを右左10回ずつ、まず朝、昼、夜と計3セットから始めてみてください。脚が軽くなるのを実感されると思います。今から、元気なうちから始めてください。

<追伸>
招き猫体操は、むくみに効果てきめんです